個人が他者や集団から受ける影響について述べよ
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「個人が他者や集団から受ける影響について述べよ。」
1.はじめに
私たちは家族・学校・職場といった集団に属して生活している。このような集団の中で行動する私たちは、その集団の影響を受けて、一人のときとはまた異なった行動もすることがある。ここでは、個人が集団から受ける影響について、社会心理学の側面から述べる。
2.他者の存在と影響
例えば、友だちと一緒に図書館で勉強をしていると、一人で勉強しているよりも勉強がはかどる、といったことがある。このような現象を社会的促進と呼ぶ。
社会的促進は、F.H.オールポートによって提唱された概念であるが、他者が、観察者であれ協働者であれ、その場に共にいることによって個人の作業成績が、一人きりの状態よりも上昇する現象である。但し、単純作業の場合には、社会的促進が生じるが、複雑で困難な作業の場合には、逆に一人で行うときよりも成績が低下する現象(これを社会的抑制という)が実証されている。
この原因についてはさまざまな立場からの説明がなされているが、代表的なものに、覚醒水準とその時点における支配的な行動傾向との関連で説明しているC.L.ハルの動因低減説に基づ...