個人情報保護のルール制定の必要性と欧州での動きをうけた日本での流れについて述べた。
・個人情報保護法成立の経緯について述べる
1.現代における個人情報の特徴とその保護の必要性について
個人にまつわる情報であり、その情報からある人個人を特定しうるものは個人情報と言える。代表的なものは住所、氏名、年齢などを指すことにはほぼ異論はないだろう。こういった情報は例えば会社の社員名簿であったり,レンタルビデオ店の会員登録情報、果ては国、自治体が管理する戸籍、住民基本台帳に至るまで現代では検索等の利便性からコンピュータを活用した情報の管理、利用がなされていることが通常である。
その際コンピュータでは膨大な情報を紙面によるものとは違ってコンパクトなスペースに納めることが可能である。紙に印刷すれば重い段ボール箱何箱にも渡り容易には持ち運びできないであろう情報がデジタルデータとなると手のひらにのるような小さなUSBメモリー一つに入ることも希ではない。そしてそれは情報管理の隙を突くことで簡単に流出し、またネットワークを通じて拡散していって再び情報を元の所に戻すことはほぼ不可能である。現代ではかつてに比べて膨大な情報が簡単に流出しやすく、そして一度流出すればその被害は大きいという特徴...