社会福祉には、「目的概念」としての意味と「実体概念」としての二つの概念があるといわれ、この概念をさらに「広義と狭義」に分けて論ずる研究者が多く、その解釈の差異はあるものの、多くの福祉研究論者がこの概念を基にそれぞれ定義・提唱している。
まず、目的概念として、広義の社会福祉をとらえる理論がある。
相澤譲治は、狭義の意味あいで個人を対象とした社会的サービスを実体概念として捉えたうえで、社会福祉とは国民一人一人の幸福という広義の意味合いもあり、理想的に社会福祉を捉える目的概念としての意味合いもあると述べている。
一方、実体概念を広義と狭義に区分し、広義に捉えた場合を「広義の社会福祉」とする理論...