我が国の社会福祉は、関連する法令とそれに基づく行政処分である措置を根拠に、行政もしくは社会福祉法人といった社会福祉従事者の専門家集団によって担われてきた。しかし、社会福祉基礎構造計画の中で改正された2000年の社会福祉法において「地域福祉の推進」と、その方法として地域福祉計画の策定が規定されたことで専門家集団のみが担う社会福祉の方法からの転換が福祉政策の目標として明確に掲げられた。その背景には、急速な少子高齢化と多様化にさらされた様々な社会的ストレス(貧困、自殺、家庭内暴力、虐待、高齢者を狙った犯罪)が表面化している地域社会の大きな変動がある。こうした問題は、地域社会の中での「助け合い精神」が...