福祉大国として諸外国から模範とされ、国内でも多くの文献があり、神秘化されている部分もあるスウェーデンであるが、その福祉と社会保障制度の現状はどのようになっているのかを今回調査した。
はじめに、スェーデンの概要について説明する。平均寿命は、日本に次ぐ世界第2位であり、日本に先んじて「少子高齢化問題」に直面したが、90年移行出生率は上昇傾向にある。女性の就業率が76%と非常に高い水準であるにも関わらず出生率上昇を維持する背景には、充実した保育所の整備や両親の育児休暇の取得推進などの社会保障制度がある。また、教育費についても諸経費を除けば無料であり、医療費も年間一定額(1万2千円)を超えれば以降...