「生きる力」の育成と道徳教育について
「生きる力」とは、①自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動しよりよく問題を解決する能力。②自らを律しつつ、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性。③たくましく生きるための健康や体力。の三つの能力から成る「全人的な力」であり、「人間としての実践的な力」(知・徳・体のバランスのとれた力)であり、「生きていくための「知恵」」とも言うべきものである。第15期中央教育審議会第一次答申は時代を超えても変わらない価値あるものを大切にするとともに、社会の変化に的確かつ迅速に対応する教育を実現するために、「生きる力」の育成という新しい教育目的を提示した。
2003年10月には、中央審議会も「初等教育における当面教育課程及び指導の充実・改善方策について」を出した。新学習指導要領の基本的なねらいは、「生きる力」の育成であり、各学校では、家庭と地域社会との連携の下、「生きる力」を「知の面から」とらえた「確かな学力」と「豊かな人間性」と「健康・体力」という三つの能力から成る「全人的な力」と再定義された。
人間が生きるということは生物学的(身体...