病態・症状・検査・治療についてまとめたものです。
色がついているところは先生に大切だと言われたところです。
参考文献:『ナースの内科学』奈良信雄/中外医学社(2010)
★胃炎★
◎急性胃炎
胃粘膜の炎症を指す。潰瘍の深さによってUI-Ⅰ(びらん)、UI-Ⅱ、UI-Ⅲ、UI-Ⅳ(穿通性、穿孔性)に分けられる。
かつては内視鏡検査後に突然発症する急性胃炎が多く原因は不明であったが、現在はヘリコバクターピロリの感染であることが判明した。このほかの急性胃炎は、非ステロイド性抗炎症薬を代表とする薬剤、アルコール、刺激性の食物、ストレスが主な原因である。また、サバなどに寄生しているアニサキスでも激しい急性胃炎を起こす。
急性胃炎が強く潰瘍を形成し、十二指腸や食道まで変化の及ぶ例をAGML(急性胃粘膜病変)という。
<症状>
突然おきる強い心窩部痛が特徴である。嘔気や嘔吐を伴うことも多い。
<診断>
内視鏡検査により多発性のびらん、小潰瘍があれば診断できる。びらんは特徴的な凝血塊をきたすことが多い。日が経つと白苔をもつ潰瘍となる。
<治療>
胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害剤、H2ブロッカーが著効する。また、抗コリン剤、粘膜保護剤も有効とされる。
◎慢性胃炎
ヘリコバクターピロリが幼少期に感染し、慢性的に胃粘膜に炎症をきたすことで発症す...