子どもの活動や子どもへの指導は、子どものやる気を尊重することでその効果が十分に得られる。やる気とは進んで物事を成し遂げようとする気持ちであり、子どもの成長発達に関わる大人が、いかに子どものやる気を引き出すかは大変重要である。本稿ではやる気が生じる要因として動機づけ、期待感、自己統制をあげ、この視点から如何にして子どものやる気を引き出すかを考察する。
1動機づけ
動機づけとは、行動を引き起こし、維持させ、目標に向かい方向づける過程のことであり、外発的動機づけと内発的動機づけに大別される。内発的動機づけとは、そのこと自体が面白く楽しいから行動を起こすというものであり、行動自体を目的としている。つまり、自分自身がその行動に興味があり好きだから活動を始め、面白いから行動を維持するという自律的なものである。
この内発的動機づけの源となるものが、新しいものや複雑なことを求める欲求である知的好奇心、知的好奇心を基に積極的に外の環境に関わろうとする意欲や欲求のコンピテンスである。つまり、知的好奇心・コンピテンスへの働きかけにより、主体的なやる気を生起させることができるといえる。生活習慣や学習の指...