佛教大学 2010年度 S0528 道徳教育の研究レポート 設題「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
1996年7月に出された第15期中央教育審議会第一次答申は、時代を超えて変わらない価値あるものを大切にするとともに、社会の変化に的確かつ迅速に対応する教育を実現するために、「生きる力」の育成という新しい教育の目的を提示した。
「生きる力」とは、次の三つの能力から成る「全人的な力」であり、「人間としての実践的な力」(知・徳・体のバランスのとれた力)であり、生きていくための「知恵」とも言うべきものである。そこで子どもたちを取り巻く環境において、社会の変化や地域・家庭状況の変化に伴い「ゆとりのない生活」「社旗汗の不足や論理感の問題」「自立の遅れ」を指摘し、学校生活においても「いじめ」「登校拒否」「自殺」など憂慮すべき状態が発生していることを指摘した。よってこのような事態に対処するために従来の学校教育の方針である「知識偏重の教育」から脱却し、新たな教育方針を提示する必要があった。そこで新たに提示されたのが生徒児童における「生きる力」の育成である。
中央教育審議会第一次答申には、新学習要領の基本的なねらいは「生きる力」の育成であり、「生きる力」を「...