この間、「世界の歴史・ラテンアメリカの興亡」という参考書を拝読した。本の内容について時間上には若干ズレがあるが、全体的に年代の順により、アメリカ大陸最初の人類の起源から、19世紀90年代、いわば現代アメリカまで詳しく紹介されている。この本は他の歴史書籍とは違って、非常にユニークな一冊と思う。各章の中に、ラテンアメリカの歴史上ではとても有名な人物を主人公として、半ば小説の形で当時の歴史や、文明、社会などをそれぞれ語ること。
本の前半の内容は、インカ王国の起源とスペインのアンデス植民地をめぐる内容はメインである。スペイン人のラテンアメリカにおける植民地の展開は、周知の通り一四九二年のコロンブス新大陸の発見がそのはじめである。そして、スペイン人はコロンブスの第一回航海から三十年足らず、カリブ海をめぐる北の島嶼も南の本土もひとわたり探査が済み、それを契機としてスペイン人のアメリカ征服植民は新局面に入ったのである。そこで、フランシスコ・ピサロとコルテスの登場となった。彼らはラテンアメリカの二大帝国、インカ帝国とアステカ帝国をそれぞれ滅亡させ、征服した、スペインの植民地歴史上にもっとも影響力を持つ...