産婦人科外来でときどき受け持つことがあります。不妊で悩んでいる患者さんの疾患です。
母性看護実習で外来に行く人は参考にどうぞ。
1.定義
2.機序・原因
3.検査
4.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
(1)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断
(2)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状
(4)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療法の副作用
多嚢胞性卵巣(PCO)
1.定義
主にホルモンの異常から起こる排卵の障害である。卵巣内の卵胞が育成せず、排卵されない卵巣に留まる。現在、女性の20%に多嚢胞性卵巣(PCO)が見られると言われている。
2.機序・原因
通常、卵巣は一定周期で排卵を繰り返すが、なんらかの原因により排卵が起こらなくなると、卵胞が卵巣に貯留する。貯留した卵胞は嚢胞を形成するため、卵巣に複数の嚢胞が生じた状態になる。
また、排卵障害により、卵巣の皮質が硬化し、さらに排卵障害を悪化させる。そのため、本疾患は、不妊症の原因となる。
排卵障害は、女性ホルモンであるLH(黄体ホルモン)の分泌が増えてFSH(卵胞刺激ホルモン)とのバランスの乱れが原因とされている。
3.検査
(1)画像
典型的な多嚢胞性卵巣では、エコー検査で卵巣内に、連なった卵胞が複数見られる。
(2)ホルモン負荷試験
基準値では、FSH(卵胞刺激ホルモン)がLH(黄体ホルモン)よりも多い。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、逆になり、LH(黄体ホルモン)がFSH(卵胞刺激ホルモン)よりも多く分泌されている。また、男性ホルモンであるテストステロンも...