アメリカ合衆国の農業地域の特色として、アグリビジネス、中でもレタス産業を取り上げる。レタス産業の中心地はカリフォルニア州である。2007年において収穫面積はアメリカ合衆国全土の統計の73%を占める。この州のレタスは国内消費だけでなく、カナダ、西欧州、日本にも輸出される。
20世紀の初め、この州のレタスの中心地は州南部であったが、1920年代中部沿岸に位置するサリナスバレーでレタス栽培のブームが起き、出荷会社が設立され、鉄道貨車により東部市場へ出荷された。1930年代には60の出荷業者が野菜栽培出荷連合会を組織した。またこの出荷には冷蔵のための氷が使用された。故に、サリナスにおけるレタス栽培は当初から、鉄道、出荷業者、製氷会社が結び付いたアグリビジネスとして誕生したのである。
1970年代、レタスの広域栽培で成功していたのはブルースチャーチ社、インターハーベスト社、バッドアントル社の3社であった。例えばインターハーベスト社は、サリナスバレーを拠点にして、南カリフォルニアからアリゾナ州といった広域な農業地域で営業した。1972年のレタス栽培面積をみると、サリナスバレー(7,600エーカ...