《舞台の上の性―オペラにおける男装の意義》

閲覧数2,414
ダウンロード数3
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    《舞台の上の性―オペラにおける男装の意義》

    9月30日第一回の本講義において「男装の麗人または越境する性」というテーマのもと「フィガロの結婚」、「薔薇の騎士」というオペラを鑑賞した。どちらも複数の監督による作品があり各々の違いを興味深く鑑賞できた。その中でも本講義のテーマでもあるズボン役に特に興味をひかれた。ズボン役だけでなくオペラには劇中にも度々男装する女性が登場する。このような性別をあえて入れ替えた人物達が舞台上に存在することは劇に何らかの効果が及ぶものと思われる。そこで本論文ではオペラにおける異性装―特に男装について考えていきたい。

    まず、石井達郎の「男装論」によれば現代において男装の持つ意味は以下の八つに大別できる。
    一. 男性中心社会において作られた「女像」に対する反発と逃避
    二. レズビアニズムによるもの
    三. 男社会の中で生きていくために女であることを隠さなければならなかったケース(一九世紀以前にはこれが著しく多い)
    四. ジェンダーの越境行為、男と女の領域がはっきり規定されていて男の領域の仕事をしていきたい場合
    五. 祭事など、社会の「制度」や「慣例」の一環として
    六. トランスセクシュアル(性転換願望)
    七. 芸能、舞台、映画などの演者として
    八. ファッション

    この分類によればズボン役は七の「芸能、舞台、映画などの演者として」という項目に当て
    はまる。しかし劇中の男装する女性という登場人物にはこのような単純な分類は当てはまらないように思われる。

    タグ

    芸術文化

    代表キーワード

    芸術舞台の上の性

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    『オペラ論』課題レポート

    《舞台の上の性―オペラにおける男装の意義》
    《舞台の上の性―オペラにおける男装の意義》
    9月30日第一回の本講義において「男装の麗人または越境する性」というテーマのもと「フィガロの結婚」、「薔薇の騎士」というオペラを鑑賞した。どちらも複数の監督による作品があり各々の違いを興味深く鑑賞できた。その中でも本講義のテーマでもあるズボン役に特に興味をひかれた。ズボン役だけでなくオペラには劇中にも度々男装する女性が登場する。このような性別をあえて入れ替えた人物達が舞台上に存在することは劇に何らかの効果が及ぶものと思われる。そこで本論文ではオペラにおける異性装―特に男装について考えていきたい。
    まず、石井達郎の「男装論」によれば現代において男装の持つ意味は以下の八つに大別できる。

    男性中心社会において作られた「女像」に対する反発と逃避

    レズビアニズムによるもの

    男社会の中で生きていくために女であることを隠さなければならなかったケース(一九世紀以前にはこれが著しく多い)

    ジェンダーの越境行為、男と女の領域がはっきり規定されていて男の領域の仕事をしていきたい場合

    ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。