地域福祉の概念規定における機能的アプローチと構造的アプローチについて述べよ。
地域福祉の理念は第一に、要援護者を保護、隔離するのではなく、地域社会のなかでそれまでの人間関係・社会関係を維持・発展させつつ自立した生活ができるように、必要な支援をすすめるようとするものである。それは要援護者や従来の施設利用者を地域の生活者として理解し、地域社会を問題の発生の場であるとともに解決の場とするものである。
第二に、地域のなかに連帯を取り戻し、社会参加・生きがい作りをすすめるものである。これは、特定の要援護者に限らず、健康な高齢者も含めて、その地域福祉の増進を図ることを目的としたものであり、かつ自主的社会参加活動を通して住民の自己実現と問題の予防を図るものである。
第三に、ノーマライゼーションは福祉的な地域社会なくして成立しえないものであり、地域の組織化・統合化を図り、福祉コミュニティづくりをすすめようとするものである。とくにハンディキャップをもつ人々への理解を深め、差別や偏見を克服し、地域社会の福祉機能を強化するものである。また、これは共生の思想、民主主義や住民自治の思想にもつながるものであ...