障害者雇用の現状と課題について
1、障害者雇用促進法について
学校教育を終えた障害者には、可能な限り雇用・就業の場が与えられるべきである。障害者が何らかの仕事に就くことは、障害者自身人生の目標になり、それと同時に社会に利益と発展に結びつくものである。
わが国では、1987年に身体障害者雇用推進法が改正され、「障害者の雇用の促進等に関する法律」となった。この法律では、「障害者の職業の安定を図ることを目的とする」とされ、障害者の雇用を促進するだけでなく、その後の職業生活の安定を支援することまでもが含まれている。また、身体障害者だけではなく、知的障害者や精神障害者も新たな対象となったが、障害者に関する雇用安定の施策は、まだ十分でないのが現状である。
この法律は、障害者の雇用を義務づけることで障害者の雇用を促進している。日本では、民間企業や国、地方公共団体に対して全労働者数に占める障害者の割合が一定レベル以上になるように義務づけている。この制度を「障害者雇用率制度」と呼んでいる。従業員全体の中で障害者の占める割合を障害者雇用率と呼ぶ。効用率を計算する場合に、重度の障害者1人は身体...