高齢者の介護は誰が担うべきか
今日の日本では、昔からの伝統的な家族形態の考えから、介護を行うのは妻や娘、更に息子の嫁というのが当然である考えがある。「男性が収入を得て、女性は家事や炊事そして介護をする」という固定概念にとらわれている。しかし、近年の日本では、女性が働いている事が多く、介護をするのは不可能な状態である場合がある。かと言って入所をさせる事は親を見捨てる行為と見なされ、恥ずべきだとする認識が高い。そのため、仕事の方を休職、転勤、退職などをする人たちが増えまた、働き盛りの若い人たちが介護に専念するため退職をする者もいる。そして介護に専念した結果介護疲れが溜まり、ノイローゼなどの精神病にかかってしまうケースもある。また、それにより家族中に悪影響をもたらしてしまう。このような深刻な状況を解消するにはどうしたらよいか考えてみる。
では、今の介護に関する法律はどのようなものがあるのか。まず、2000年に施行された介護保険制度がある。この制度は、老人保健法及び老人福祉法の問題点の解決のためにつくられた制度である。それまで「施設介護」が中心であったものを、「在宅介護」に替える...