「発達障害について述べなさい。」
障害のある児童・生徒に対する教育のあり方は、急速に変化が求められている。2006年1月8日、報道各社により、「文部科学省による学校教育法の改正に関する骨格が明らかとなった」と報道された。文部科学省のこの動きは、前年12月8日の中央教育審議会による「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」を受けてのものである。このような障害児教育における改革の機運は、近年の社会におけるノーマライゼーションの進展により人々の意識に生じてきている変化も大きな要因の1つとなって高まっている。
私たちは、日常的には、段階・水準に生じる障害(つまずき)を遅れという言葉で表現する。一方、領域に生じる障害は、偏りと称している。すなわち発達障害とは、何らかの原因で発達の諸領域に生じた遅れで、現れ方として、領域の全体的な遅れが顕著な場合と、ある特定の領域の遅れのため、発達の偏りが顕著な場合の大きく2つのタイプに分けられる。
もともと発達障害とは、アメリカ合衆国の公法で用いられた法律用語であった(米国法律集第42第6001条)。その内容は、6項目からなり、発達障害...