イメージを読む――西洋中世美術のイメージ

閲覧数2,930
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1.はじめに
     美術作品においては、作品そのものはもちろんのこと、その作品が表す物体や色のもつイメージも重要な意味を持っている。様々な物体や色に対するイメージは、時代や文化、地域、宗教によって異なっており、美術作品が表しているものを知るためには、その作品が作られた当時のイメージを知ることも必要である。
    そこで、本レポートでは、西洋中世美術におけるイメージとは何かを、不可視の神を可視化して表すイコンに着目して考えたい。また、可視と考えられる動物を対象とする動物画とイメージの関係についても考察したい。
    2.イメージとは
     イメージとは、ギリシア語のエイコン、ファンタスマに対応するラテン語イマゴ(imago)に由来する言葉である。美術においてイメージとは、何かによく似た「模像」、すなわちある対象を表した肖像・彫像であるとともに、その対象の象徴そのものも意味している。そのため、イメージは表す対象が不在であっても成立する。イメージとは、時空間的に離れたものと現在、可視のものと不可視のものを媒介するものなのである。
    例えばキリスト教思想の中では、イメージに対して積極的な意味づけがなされ、人間は「神...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。