佛教大学英米文学科A合格レポート
「学歴社会とは何かを明らかにし、高学歴化が進行すると教育はどのように変化するのかについて学力の視点から述べよ」
これまで日本では、学歴社会はあまりいいイメージをもって語られることはなかった。「受験地獄」などの言葉とともに用いられ、その人間が内面的にもつ「本来の資質」を考慮せずに、うわべだけの「勉強ができるかどうか」だけでその人間を評価するという理不尽な社会として捉えられてきた。その結果、一流大学を卒業して一流企業に就職するという学歴社会の物語が日本にあったが、現在ではそれは終焉したといわれている。他にも様々な問題が山積する中、学歴社会を非学歴社会に変化すれば、様々な教育問題は解決するのであろうか。「学歴社会」という言葉を改めて把握しながら、考えていきたい。
まず区別しておくべきことは、「学歴社会」と「高学歴社会」である。学歴社会とは、「社会における社会的・職業的地位などの配分の基準として学歴が重きを占める社会」と定義できるであろう。その一方で、高学歴社会とは「高学歴者が多い社会」であり、具体的には高校卒業後の高等教育機関への進学率が50%を越える社会であるとされる。つまり、「学歴社会...