佛教大学英米文学科A合格レポート
『テネシー・ウィリアムズ作「ガラスの動物園」の主題について述べよ』
「ガラスの動物園(The Glass Menagerie,1945)」はテネシー・ウィリアムズ(Tennessee Williams, 1911-1983)によって描かれた戯曲である。この作品は彼の出世作であり、自伝的作品もある。米文学の中でもかなり高い位置付けがなされている作品である。1930年代の不況時代のアメリカを舞台に、ウィングフィールド家の3人を中心に追憶劇の形で演じられる。この劇に登場する家族は、「口やかましくでしっかり者だが過去の栄光にすがり苦しい現実を見ようとしない母アマンダ、足が不自由で婚期を逸しかけている内気な娘ローラ、そして靴会社の倉庫勤めに加え、母親との生活にうんざりしているトム」らによって構成されたウィングフィールド家を描いている。この劇ではこのウィングフィールド家意外には、ジム・オコーナーという人物しか登場しない。この作品はある一家の挫折というテーマを扱っている。そしてこの劇における主題は「哀しみ」であると考えられる。これを単に劇で演じることではありふれた劇になってしまう。それを詩的な内容...