経営戦略論_期末試験対策

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    資料の原本内容

    【経営戦略論_期末試験対策】
    1.産業組織論的アプローチ
    ・規模の経済について復習すること⇒バリューチェーン上でどのように規模の経済が生まれるか
    ・ポーターの5つの競争要因分析について復習すること⇒具体的に何がどう作用するか
    ・事例について復習すること
    規模の経済:
    単一の製品やサービスを、一定期間に、より多く製造・販売するにしたがって平均の単位コストが減少する現象。
    ⇒バリューチェーン上の主に生産過程において、大量生産によって単位あたりの変動費以外の費用が相対的に低減することを規模の経済という。
    ポーターの5つの要因分析
    Ⅰ:売り手の交渉力⇒代替品なし、買い手にとって重要な部品である:交渉力強し
    Ⅱ:買い手の交渉力⇒販売コスト
    Ⅲ:代替品の出現可能性⇒値上げ・値下げの影響度
    Ⅳ:新規参入の可能性⇒規模の経済が重要、算入に必要な投資過大、政府規制アリ:参入障壁高い
    Ⅴ:市場で競合する企業間での競争
    上記のポーターの競争要因を事例を用いて説明する。
    JFEの事例:ゴーンの宣言前は高止まりであった鋼板価格競争の火蓋が切って落とされたことをきっかけに、NKKと川崎製鉄所の統合はお互いに経営統合を実施することによって、競合他社を減らし、規模の拡大による現在の購買力の強化を図った。
    キリンビバレッジの事例:
    キリンビバレッジは、以前はペットッボトルを完全に自社以外から交流をしており、売り手の交渉力が高い状況にあった。そこで、自社内でペットボトルを製造することによって、相手との価格交渉を優位に進めることが可能となった。
    キリンビバレッジのペットボトル業者に対する交渉力(買い手の交渉力)
    ⇒内製化によって供給者のコスト構造を理解したことによって交渉を優位に進めることが可能となった。それと同時に、自社でペットボトルを製造できるようになったため、ペットボトル製造業者から必ずしも購入する必要がなくなったことによって、さらに交渉力が向上する結果となった。
    2.企業の垂直的境界
    ・(バリューチェーン上の機能を社内で、社外で)取引コスト・アプローチの基本的な考え方を復習すること ※特に資産特殊性、ホールドアップの脅威、内部調達(垂直統合)と外部調達の意志決定の関係を理解すること
    ※資産特殊性:上手に活用できれば強いメリットとなる。用途以外に対しては著しく価値が毀損する。
    ・ホールドアップの脅威を軽減する方法と、それらが有効である理由について復習すること
    ・事例についても復習すること
    取引コストアプローチの観点から内部調達と外部調達の意思決定
    自社にとって当該活動の重要性が高いほど⇒内部化へ(当該活動を行う持続優位性に立てる能力を保有する場合)、提携へ(左記を持たずの場合)
    ⇒内部化:他の活動と組み合わせて模倣困難な能力へと進化する。
    資産特殊性のある資産とは、例えばX社という企業が存在する際に、そのX社が必要とする特殊な機械で作る部品工場など特定の条件にある資産を示している。そのような資産特殊性をもっている資産、ここでは上記の例を取り上げると、X社が部品を必要としなくなったら特殊な機械で作る部品工場は他社へ部品を売ることもできず(X社用なので)お手上げの状況に陥ってしまう。このような状況に陥っていることをホールドアップといい、このホールドアップを軽減させるためには、部品メーカーは資産特殊性の高い資産を長期リースをしたり、合弁事業としてリスクをお互いにとることによってホールドアップの可能性を軽減する。
    事例:シャープの「液晶コンビナート」
    シャープは従来よりも大きなガラス板にて大量の生産を可能とする第10世代の液晶パネル生産機械を導入するにあたって、敷地内に自らの部材メーカーを誘致し、液晶パネルを生産する一大コンビナートを建設する構想を立てた。この構想にのった企業としてはカラーフィルターを生産する大日本印刷とガラスメーカーである米コーニングがいる。ガラス板が大型化すると、数ある部材のなかでもカラーフィルターとガラスは搬送コストが多大となってしまうため工場に隣接することのメリットは大きいためだ。今回の事例の場合は、部材メーカーがシャープの工場に隣接して立てる工場自体が資産特殊性を持つこととなる。部材メーカーにとって、搬出コストが低減し、ガラスの損傷などのトラブルも最小限に抑えることができる。そしてシャープの工場に進出することによって重要顧客であるシャープとの関係を強化できるというメリットがある。しかし、その一方でシャープは進出を決定した大日本印刷と米コーニングからのみ部材を買うというわけではないため、部材メーカーにとってうまみがどれほどとなるのかは不明である。
    3.国際ビジネス
    ・知的財産権を中心に、国際的に事業展開する際のリスクについて復習すること
    ・海外市場への算入形態(取引コスト・アプローチ)について復習すること(どんな時に、どんな形態で)
    ・事例についても復習すること
    世界の資本市場において、公正で確実な情報が開示されない限り、投資家からの資金調達は困難となる。途上国などの未熟な環境しか存在していない場合、政治リスク・規制リスク・テロリスク・カントリーリスクなど様々なリスクが存在している。
    具体的なリスク:外資参入規制、撤退規制、技術移転要求、不法複製品・類似品の横行、ロイヤリティーの有効期限が10年以内に制限など(中国)
    ⇒先端技術流出のメカニズムとなっている。技術優位性の侵食と喪失も生じる。
    契約ハザード:相手先国における企業に対する契約から生じるリスク(主に合弁に対する影響)
    政治的ハザード:相手国の国自体のリスク(主に完全子会社化に対する影響)
    ⇒現地パートナーとの契約の不確実性が高い場合は出資比率を高めるなどの自社による経営資源へのコントロールを高めて契約ハザードを軽減する。
    ⇒ホスト国の政治的脅威が大きい場合は、現地パートナーとの合弁で外資に対する圧力を軽減する。
    ⇒ミクロ環境(契約環境)とマクロ環境(政治環境)の相互作用を考慮する。
    ⇒統合モデル:契約ハザードが政治的ハザードに増幅される程度による。
    エイズの事例から判断できる国際的に事業展開する際のリスクは、「公共の福祉と権利保護の関係」である。アルツハイマーやエイズを防止することができるのであれば、世界に広まっていいという観点と、莫大な投資を行い事業展開を実施してきた企業が利益を求めるのは当たり前という観点が存在しており、そのような二律背反をどのようにするのか。大きな課題として「公共の福祉と権利の保護をいかにバランスさせるか」がある。歴史を紐解くと、発明者の権利を保護することによって、技術を公開し、普及を図るのが特許の精神であった。権利者に適切な対価を支払うことで、知識を人類共通の資産にすることを改めて考える必要がある。
    途上国において知的財産保護の法制度が整備されていない状況によって市場に、コピー薬が生産され市場に出回っている現状がある。コピー薬の価格は本家の価格より何分の一であったりするため、本家が訴訟を起こしたりしている。また、コピー薬などは国境なき医師団などのNGOがエイズ感染者に対する治療をするために買っているなど、単純に利害関係の問題ではなくなってしまっている。
    ・専有権ハザード
    ・知的財産権保護制度が脆弱化した場合の影響
    ・知的財産権保護制度が整備。運輸お経かされた場合の影響
    4.多角化企業のマネジメント
    ・多角化企業における業績評価と資本配分の特徴を復習すること
    ⇒事業ポートフォリオ・マネジメントのフレームワーク
    ⇒利益率や投資効率に基づく事業評価と資本配分の問題点、RAPMの有効性
    ⇒講義中に実習したROEとRAPMの計算と投資評価(VaRとEaRの計算は除く)
    ・多角化企業における組織の分化と統合、経営資源の全社的な複合利用について復習すること
    ⇒「ペアレンティング」(グールド/キャンベル)について復習すること
    ⇒事例についても復習すること(ワークシートを利用すること)
    事業ポートフォリオ・マネジメントのフレームワーク
    ⇒横軸に「市場成長率」と縦軸に「相対市場シェア」(=自社のシェア÷自社を除く最大企業のシェア)、円の大きさを「売り上げ規模」として、自社の各事業をプロットする方法がPPM分析という。市場成長率は、「資金投下の必要性」の指標である。前提には、高成長市場においては事業伸張に積極的な投資を求められるが、低成長市場においては大きな投資を必要としない、というものである。相対的市場シェアは、自社の各事業の、それぞれの市場における競合優位性を表す。市場シェアが大きい事業ほど規模の経済や経験曲線の効果でコスト競争力が強く、その結果としてキャッシュ創造力も大きい。円の大きさは、会社全体にとっての各事業の重要性を意味する。
    定量分析(PPM分析)、定性分析
    各事業がどのような位置に存在するかを明らかできるPPM分析などの定量・定性分析を通して、各事業のミッションを踏まえて、戦略を策定・実行する。また、事業にミッションを与え、効率的な資源配分を行う。
    利益率や投資効率に基づく事業評価と資本配分の問題点としては、事業のパフォーマンスに影響する内外要因(経営資源、市場、競合、政治・経済など)は事業ごとに異なっており、そのため直面するリスクにも差が生じるものだが、従来の単純な経営指標(ROE、ROA)では反映がされないという問題点が存在する。そこで、それぞれの事業ごとにリスクを調整した後の業績評価指標としてRAPMがある。RAPMを事業ごとのリスク管理するのに適しており、事業ごとのリスクを考慮...

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