教育の方法・技術論 レポート
授業形態の変遷と多様化について述べなさい。
1.授業形態の変遷
今日のように、学級全体の子どもが共通の内容を共通の方法で学習していく一斉授業の方式が行われるようになったのは、19世紀に入ってからだといわれている。それまでは、ある一室に子どもを集めるものの、先生が対面し一斉に授業をするということはせず、個別指導のような形態をしていた。その結果、一人ひとりの学んでいる内容はまちまちであった。
しかしながら、学生が個々に競争心をもち、自身の力を奮い起す効果を生むために、一学級内の全学年が、一斉に同じ授業を受けられるようにすることは非常に有効な手段であるといえよう。
このような観点からコメニウスは学級という組織による一斉学習の有用性を主張したのである。コメニウスの提唱した一斉授業の形態は、旧来の個別学習の方法と比較して非常に効率的であり、経費の点でも安上がりであるというメリットがあった。しかし、同時に学級組織を編成することで、個々の子どもたちへの目が届きにくくなり、個性の伸長という面において十分ではないとの批判を受けることとなる。
そこで、次に個性の伸...