ユークリッド『原論』(第1巻)の定義と公理(共通概念)について

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一般的にある対象物を定義するとき、その定義文中にまだ定義されていない概念が入っていると、さらにその概念の定義が求められることになるのだが、ユークリッドの時代では幾何学的対象物に対する概念で経験上万人が共通して認識しているものについては厳格に抽象化することを押し進めていない。例えば、『原論』第一巻の定義(1)「点とは部分をもたないものである」の中で記されている「部分」とは何か、あるいは定義(2)「線とは幅のない長さである」、定義(5)「面とは長さと幅のみをもつものである」で記されている「幅」とは何か、と新しい概念をもった用語が出現するとその定義を求め続けることになるはずである。

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 一般的にある対象物を定義するとき、その定義文中にまだ定義されていない概念が入っていると、さらにその概念の定義が求められることになるのだが、ユークリッドの時代では幾何学的対象物に対する概念で経験上万人が共通して認識しているものについては厳格に抽象化することを押し進めていない。例えば、『原論』第一巻の定義(1)「点とは部分をもたないものである」の中で記されている「部分」とは何か、あるいは定義(2)「線とは幅のない長さである」、定義(5)「面とは長さと幅のみをもつものである」で記されている「幅」とは何か、と新しい概念をもった用語が出現するとその定義を求め続けることになるはずである。時代的に哲学的観...

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