「国語科授業の計画と評価についてのべよ」
・学習者主体の授業
国語科教育は、国語つまり母語を教育の対象としている。母語は国語科の授業よりもはるかに多く普段の生活のなかで触れているおり、学習者の国語力は学校教育における国語科だけでは形成されない。むしろその影響は小さいものである。つまり、学習者主体の授業を行っていくには、まず学習者の国語力の実態を把握する必要があるのであるが、それは学習者の生活すべてにおける日本語の使用について把握することでなければならない。
国語学力には、読むこと、書くこと、話す・聞くなどの言語活動にかかわる学力(技能領域の学力)と、技能領域の学力に影響を与える、ものの見方や考え方、いわゆる言語活動をコントロールするメタ認知的な学力(価値(または認識)領域の学力)と、コミュニケーション力や語彙にかかわる力などの、さらにそれらの学力を下支えする学力(基盤領域の学力)の三つの領域に分けることができる。ただ、これらの領域は学習者それぞれが固有にもっている学力ではない。学習者と教師、学習者と学習者、学習者を取り巻く環境といった、「状況」と学習者がもつ「特性」との相関の中で生成...