平成19年度民法第1問

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    旧司法試験民法の答案です。第1次作成版。参考までに。

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    平成19年度第1問
     設問1(1)について
     Xは、Bに対し、甲土地について所有権に基づく妨害排除請求としての所有権移転登記請求をすることができないか。本問では、甲土地は、AからXとBに二重譲渡され、Bが所有権移転登記を備えている。そこで、Bは177条の「第三者」にあたり、XはBに対し、登記なくして所有権を主張することはできないのではないか。「第三者」の意義が問題となる。
    この点について、「第三者」とは、当事者およびその包括承継人以外のもので、登記の不存在を主張する正当な利益を有する者をいい、善意・悪意は問わないと考える。なぜなら、177条の趣旨は、登記を促進することによって取引の安全を図り、自由競争原理の範囲で取引する者を保護することにあるから、単に悪意の者であっても「第三者」に含まれると考えられるからである。そこで、自由競争原理の範囲を超えて、登記の不存在を主張することが信義則(1条2項)に反するといえる者、すなわち背信的悪意者は、「第三者」にはあたらない。
    本件では、Bが背信的悪意者といえる場合には、Xは、Bに対し、甲土地について所有権に基づく妨害排除請求としての所有権移転登記請...

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