静脈・リンパ系疾患
1.静脈血栓症血栓性静脈炎
血液のうつ滞や血液性状の変化のために静脈内に血栓を生じたものを静脈血栓症(venous thrombosis)といい、静脈壁の炎症による血栓形成を血栓性静脈炎(thrombophebitis)というが、両者を区別することは困難なことが多い。静脈血栓症は手術後、分娩後、あるいは長期臥床中に生じやすく、大腿静脈や腸骨静脈に発生したものでは下肢に疼痛や腫脹がみられる。血栓性静脈炎は、静脈内注射や薬剤による静脈壁の障害(抗生物質、カリウム薬、カテコールアミンなど)やバージャー病などによる静脈の炎症が原因となる。
表在慢生血栓性静脈炎では、血栓を有する表在...