テキストの第六章第二節『平家物語』の「敦盛の最期」について、詳しく教材分析を行い、その教材価値を具体的に述べなさい。
テキストの第六章第二節『平家物語』の「敦盛の最期」について、詳しく教材分析を行い、その教材価値を具体的に述べなさい。
「敦盛の最期」は、『平家物語』の巻第九におさめられている。『平家物語』は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」に始まる冒頭の名文もあって、現在も広く知られる軍記物語である。
内容は、保元の乱、平治の乱に勝利する平家と敗れた源家、そこから源平合戦に至って平氏滅亡へと続き、平安貴族の没落と武士の台頭、そしてまた武士たちの栄枯盛衰といった人間模様を描く。
中でも「敦盛の最期」は、以下のように分析できる。
「熊谷直実は、沖の船に向かう平敦盛を捕らえ、首を刎ねようとする。しかし我が子と同じ年頃の敦盛を見て、直実は助けるべきかと逡巡する。しかし後方から味方の軍勢が迫っている。殺せと潔く言う敦盛を、直実は迷いつつ首を刎ねるも、後に悔いて出家する」
まず指導上留意しておきたいのは、歴史的仮名遣いや係り結び、類義表現といった箇所を焦点化することである。これは内容把握の基本となる。例えば「公達」のような語句は、既に漢字の学習を終えている単語だが、その読みはその学習内容とは異なるから、注意...