源氏物語における斎院の考察

閲覧数2,425
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     この場面は、女三宮が斎院になり、儀式・御禊をするところである。
     斎院とは何なのか。また、儀式とは何なのか。
     「斎院」について、『源氏物語有職の研究』には、「天皇即位の度毎に、その命に依り賀茂神社に奉仕する、未婚の内親王若くは女王。(中略)初め斎院に卜定があると、之を賀茂大神に奉告し、宮城内の便殿を卜して、初斎院とし、斎院河に臨んで御禊があり、この斎院で潔斎三年に及ぶ。この初斎院の場処は、一定してゐないが、右近衛府・左近衛府・大膳職等を用ひた。後四月に再度の御禊があり、野宮の斎院に入る。野宮は、京の北郊紫野で、之を一に紫野院といふ。また有栖川の傍にあるので、有栖川といふ。その月の賀茂祭から祭事に関係する。その解職の時は、近江国辛崎に至り、禊ぎを修して帰郷する例であつた。斎院に直属する役所を、斎院司と云ふ。長官・次官・判官・主典・史生・使部があり、直別当があり、一切を総裁したが、公卿などが兼ねたこともあった。また年預があった。其の職務は詳かでない。女官には、女別当・内侍・宣旨・蔵人・釆女・女孺等があった。この斎院の御禊は、仁明天皇以来、鴨河に定まり、勅使・大・中納言各二人、四位・五位各四人供奉し、行粧華麗を極め、これを観る物数多かつた。葵巻に、御禊の日とあるのは、再度の御禊のことで、源氏は参議の一人として供奉したのである。」とある。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    【源氏物語における斎院の考察】
    この場面は、女三宮が斎院になり、儀式・御禊をするところである。
    斎院とは何なのか。また、儀式とは何なのか。
    「斎院」について、『源氏物語有職の研究』には、「天皇即位の度毎に、その命に依り賀茂神社に奉仕する、未婚の内親王若くは女王。(中略)初め斎院に卜定があると、之を賀茂大神に奉告し、宮城内の便殿を卜して、初斎院とし、斎院河に臨んで御禊があり、この斎院で潔斎三年に及ぶ。この初斎院の場処は、一定してゐないが、右近衛府・左近衛府・大膳職等を用ひた。後四月に再度の御禊があり、野宮の斎院に入る。野宮は、京の北郊紫野で、之を一に紫野院といふ。また有栖川の傍にあるので、有栖川といふ。その月の賀茂祭から祭事に関係する。その解職の時は、近江国辛崎に至り、禊ぎを修して帰郷する例であつた。斎院に直属する役所を、斎院司と云ふ。長官・次官・判官・主典・史生・使部があり、直別当があり、一切を総裁したが、公卿などが兼ねたこともあった。また年預があった。其の職務は詳かでない。女官には、女別当・内侍・宣旨・蔵人・釆女・女孺等があった。この斎院の御禊は、仁明天皇以来、鴨河に定まり、勅使・大...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。