1 ヘミングウェイの代表的な長編小説について述べなさい
ヘミングウェイの長編小説の舞台は全て外国であるが、全て英語で表現されているため、ごく標準的な英語が使用されている。
彼を一躍有名にしたのが「日はまた昇る」である。この作品を中心に第一次世界大戦に参加して、その体験を身に背負い、アメリカに帰国したのち再びヨーロッパに渡った作家たちがロストジェネレーションの作家と呼ばれることとなる。
「日はまた昇る」は大戦で負傷した新聞記者バーンズとアシュレー、二人の若者を主人公とした作品で。フランスとスペインを舞台に闘牛と夜遊びにうつつをぬかす姿を描き、ストーリーらしいストーリーは特になく、ハードボイルドといわれる文体が大きな特徴である。
「武器よ、さらば」は第一次世界大戦でのイタリアが舞台でヘミングウェイ自身の体験が描かれている。イタリア軍隊として闘うアメリカ青年ヘンリーが看護婦キャサリンと恋におち、別れと再会を経て最後はあっけないキャサリンの死を迎え、人生の虚無が描かれている。ストーリー的に都合のよい点がみられるが、テンポのよい文体が欠点を補って余りある。
「老人と海」では敗者の栄光と尊厳を象徴...