ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。
『ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。』
ヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチー(Johann Heinrich Pestalozzi)は十八世紀から一九世紀初頭スイスの教育者であり、一八〇四年イフェルテンに開いた学校における教育実践が高い評価を得て、ヨーロッパやアメリカから多くの留学生が派遣された人物である。その著書には『隠者の夕暮れ』(一七八〇)、『リーンハルトとゲルトルート』(一七八一)、『人間の発達における自然の歩みについての私の探求』(通称『探求』一七九七)、『シュタンツ滞在について 一友人へのペスタロッチーの手紙』(一七九九)、『ゲルトルートはいかにその子らを教えるか』(一八〇一)等がある。
ペスタロッチーは政治運動や農業活動、貧民学校の運営や、続く孤児院、学校での教育を通じてひとつの一貫した教育観を獲得した。ペスタロッチーにとっての教育とは、子どもの内に秘められた発展素質を助成することであり、子どもを人間未満の動物的存在と見なし、その動物的衝動を根絶することが教育だという古い考えに真っ向から反対した。子どもは真への認識、美の感情、善の力を生まれながらに有...