心身障害児・者に共通する心理的問題は何か述べよ。
Ⅰ.はじめに
心身障害児・者はいろいろな観点から定義することができる。この代表的な観点には統計的規準と生活的規準がある。
統計的規準は、「知的・身体・社会的面で平均値にある普通児・者からはずれていて、その能力を最大限に発達させるためには、学校での教育をいろいろ変えたり、あるいは特別の教育を必要とするような範囲にある人たち」としている。
また生活的規準では、「心身障害児・者とは生活や学習の妨げとなるような機能障害や喪失(形態不全も含める)を持つ人々」または「生活や学習にとってハンデ(障害)となるような心身の機能障害を持つ人々」としている。
この考え方に立ち、心理障害児・者の共通する心理的問題である不安と劣等感・欲求不満とこれに対応する援助・指導について述べる。
Ⅱ.不安
不安は、漠然とした恐れ、心配の事で心身障害児・者だけではなく、健常児・者や他の障害児・者も持っているのである。
心身障害児・者は、健常児・者と共通して認められる一般的不安のほかに、独自の不安がある。以下にその要因、身体的傷害、環境からの要求、新しい環境、比較的...