分布における位置
ある集団内における位置を単に述べただけでは事実とは言えず、定義を述べているに過ぎない。なぜなら、そこには個人についての言及はなく、集団の構成を述べているに過ぎないためである。しかしながら、その言明に、人々が分布の中のどの位置にいるのかということに注意を払い、何らかの考えをもち、認識していることを記すことができれば、事実的な言明と言えるようになる。
例えば、自分よりも下手な試合をする人の割合が90%以上だと認識した場合、その人はそのテニスクラブをやめるという言明を考える。このとき、最もうまい人から次々と辞めていき、最終的に誰もいなくなってしまう。このみんなが辞めていく速度は、自分の腕への自信の高さや、分布における位置の変化をどれだけ早く認識できるかに左右される。
空間的な分布においてもこうした原則が当てはまる。観客の誰かは最も年をとっており、誰かは一番前に座るのである。もし、全ての人が群衆の中心にいたいと思っていたり、全ての人が群衆の端にいたいを思っている場合は、それらの人の望みはかなわない。
また、自分自身がなんであるのかについても適用できる。全ての人が...