Ⅲ協働の限界は何か
協働における制約条件は環境の不安定性と調整能力である。環境の条件が変化すれば、協働システムもそれに合わせて変化させる必要がある。そのため、組織的な様々な活動のつり合いをとることになる。この調整によって新たな環境の制約条件を克服することができなければ、協働は失敗することになる。したがって、この調整プロセスと調整を行う機関が協働の限界を形成するのである。
Ⅳ協働システムの不安定性の原因と、Ⅴ協働が与える影響
行為目的の変化も組織の不安定性に影響を与える。ある制約条件を克服すると、新たな目的が現れるか、これまでの目的は破棄されることになる。新たな目的を選択する際に、目的の数や多様性が拡大していればいるほど、協働の不安定性が高まることになる。
第4章 協働システムにおける心理的・社会的要因
ここまで協働システムは心理的要因や社会的要因を排除して考察してきた。しかし、実際にはそういった要因も存在するため、本章ではこの二つの要因も考察することにしよう。
個人は経験する力と選択力を持っている。過去の経験が現在の行動に影響を与える。そのため、選択がなされなければならない...