各企業が何を目標とするかによって、経営行動は異なってくると思われる。以下では、収益性または、シェア、その両方の追求を行っている場合にどのような経営行動を行うかについて考察することにしよう。
なぜ、顧客を重視するのか。
それは、企業が存続していくため。
なぜ、企業は存続しなければならないのか。もし、企業が顧客のために行動しているのであれば、独占禁止法のような法律は必要のないことになる。このことを考えると、企業は顧客に対して強い立場になると、顧客からより高い利益を獲得しようとする貪欲な行動をとるものと思われる。したがって、必ずしも企業が顧客のためを第一として企業活動を行っているとは言えないだろう。では、債権者たる銀行ではどうか。答えはNOである。それは企業がなぜ銀行から資金を借りるかを考えてみればよい。銀行に利益をもたらすために会社を設立し、そのために銀行から借り入れを行い、事業を営むという企業は存在しないだろう。銀行からの借り入れはあくまでも、目的とする事業を行うための手段であって目的ではないのである。このように考えると、企業はだれのために存在しているのか、という問いに対して単純に...