子どもの体の清潔を保つことへの援助
清潔を保つ意義
人の皮膚は表皮、真皮、皮下組織によって構成されている。子どもの場合、生理的・形態的にいくつかの異なった特徴がある。
表皮は体内の水分蒸発を防ぐ働きがある。子どもの場合、表皮全体が薄く、最外層の角層が薄い。このため、とくに新生児・未熟児は皮膚からの不感蒸泄が多い。また、体重に比して体表面積が大きいため、体重あたりの不感蒸泄は乳児では成人の2.5~3倍の量となる。真皮は線維性結合組織が網状に入り組んでいるが、乳幼児は結合組織間・の網状構造が広く、密度が低いため機械的な外力に対して弱い。皮下組織は、脂質を産生、貯蔵する脂肪細胞や線維性隔壁からなっており、体温保持のための絶縁体、外力からの保護クッションの役割がある。乳児期には皮下組織が増加し、幼児期になると減少する。
このように、子どもの場合、皮膚の角層が薄く、体重あたりの不感蒸泄や汗腺数が密であることに加え、皮膚のpHが成人では4.2~5.6に対して、新生児では6~7であり、酸度が低いことによって皮膚の自浄作用が弱い。また、機械的な外力が加わることによって容易に損傷を受けやすいことや、免疫...