二分脊椎についての概要をまとめたもの
『二分脊椎(spina bifida)』P29~P35 製作者:
病態
椎弓の癒合不全を総称し,脊椎管背側を形成する椎弓や棘突起が先天性に欠損している病態を指す.好発部位は腰仙椎移行部(L4,5)である.
二分脊椎は,外表所見によって潜在性二分脊椎(spina bifida occulta)と嚢胞性二分脊椎(spina bifida cystica)とに大別される.潜在性二分脊椎とは椎骨の異常のみで脊椎管内容の脱出を伴わないものをいい,L5~S1の椎弓に多い.欠損部に皮膚陥凹,母斑,脂肪腫,毛が見られることもある.一方,嚢胞性二分脊椎はさらに分けられ,椎弓のみ破裂し,髄膜の脱出はあるが神経組織の脱出はなく,神経症状を認めないものを髄膜瘤といい,髄膜の脱出とともに神経組織の脱出があり,その存在の場所と神経組織の異常の状態によりさまざまな脊髄症状が出現するものを脊髄髄膜瘤という.また,脊髄髄膜瘤には脊髄の形態異常を示し,正中で左右に開裂した状態で体表に露出しているものが多い.これを特に脊髄裂と呼んで区別している.ほかに中心管が局所的に拡大し,脊髄後部が膨隆したものを脊髄嚢瘤,脊髄が骨部...