内反膝についての概要をまとめたもの
内反膝(bow leg)
p.172~p.176
病態:日本人では軽度の内反膝を呈するものが多く、膝関節の前額面の変形で外側への凸となるものをいう。立位で左右の足関節内果部を密着させても左右の膝は接せず、間隙を認める。
原因:①脊髄性および脳性小児麻痺による関節周囲の軟部組織の弛緩。
②靭帯損傷。
③関節内骨折による関節支持組織の構築の変化。
④離断性骨軟骨炎などによる関節面の骨・軟骨欠損。
⑤大腿骨または頚骨の先天性彎曲。
⑥軟骨無形成症など骨系統疾患による発育不全。
⑦くる病など代謝障害による大腿骨または脛骨の内・外反。
⑧Blount病。
⑨筋力の不均衡による片側発育障害。
⑩骨折や骨髄炎による骨端成長層の破壊または早期閉鎖。
⑪骨折の変形治癒。
⑫慢性関節リウマチ。
症状:必ずしも症状が現れるわけではなく、小児では関節の軟骨が厚く疼痛を訴えることは稀である。しかし、高度の内反膝ではしばしば膝関節の不安定感や筋肉痛など関節周囲の軟部支持組織由来の疼痛がある。さらに歩容の異常を認めたり、歩行時に転倒しやすく、また美容上の問題を訴える症例もある。
検査項目:既往歴、全身所見、X線検査...