《脊髄損傷(胸・腰髄)》

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    資料紹介

    胸髄損傷、腰髄損傷についての概要をまとめたもの

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        脊髄損傷(胸・腰髄)                      製作者:
     【病態】
     脊髄損傷は,外力による脊髄実質の機械的破壊および脊髄内出血に,脊髄実質の循環障害,代謝障害,生化学的障害といった二次的変化が加わる.
     重度の脊髄損傷では,受傷直後に損傷以下の脊髄が脊髄ショックspinal shockに陥る.脊髄の伝導機能が断たれ,下部脊髄は自立性を失う.運動,感覚機能および脊髄反射がすべて消失し,自立神経機能も停止する.下部脊髄は一般に24時間以内にこの脊髄ショックから離脱する.その時点で完全麻痺であれば,改善は望みがたい.種々の随伴症状や合併症が現れる.(図34-1)
     損傷された前角細胞や神経根に支配されている骨格筋は弛緩性麻痺になり,一方,上位運動ニューロンの支配は断たれるが前角細胞や神経根自体に損傷がない領域は痙性麻痺が折々で出る.
     臨床的には,麻痺の程度により完全麻痺と不完全麻痺に,損傷のレベルにより四肢麻痺quadriplegiaと対麻痺paraplegiaに大別できる.
    完全麻痺
       脊髄ショックからの離脱後も感覚,運動機能および深部反射が完全かつ持続...

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