一過性脳虚血発作についての概要をまとめたもの
一過性脳虚血発作
理学療法学科
昼間部3年
提出日 2004.9/7
一過性脳虚血発作 (transient ischemic attacks; TIA)
<病態>
一過性脳虚血発作 (transient ischemic attacks; TIA)とは、脳虚血による局所神経症状を示し、24時間以内(多くは1時間以内)に消失する病態を示す臨床診断名である。TIAの重要性は、脳血管障害の一つの病期あるいは警告症状であり、内在する循環系の異常や危険因子を明らかにして、治療を開始するための症候群としての意味合いが重要である。
<原因>
TIAの原因は多種多様であるが、大部分は、頸部頸動脈分岐部のアテローム動脈硬化病変に形成された壁在性血小板/フィブリン血栓が剥離して微小塞栓として末梢の脳動脈を閉塞することにより発症する。ただし、微小栓子が容易に溶解して血流が再開されるため、局所神経症場の発現は一過性に留まる。また、脳血管にもともと高度の狭窄性病変や閉塞のために潜在的な血流不全状態が存在する場合がある。このような際に、脱水や血圧低下などの血行力学的負荷が加わり、一過性に血流...