【東京大学】【優】現代社会において死亡者の三人に一人ががんによる死亡であるという現実がある中で、患者にとって副作用が少なく効果的に治療の行える放射線治療が、がん患者急増を救う鍵を握っているのは言うまでもない。今回はその放射線治療を行う上で医学物理士がどのような関わりを持っているのかを踏まえつつ、医学物理の重要性を述べていきたい。
『医学物理入門 – 4次元X線CT 医学物理士の国家制度化と人材育成 遠藤真広』
現代社会において死亡者の三人に一人ががんによる死亡であるという現実がある中で、患者にとって副作用が少なく効果的に治療の行える放射線治療が、がん患者急増を救う鍵を握っているのは言うまでもない。今回はその放射線治療を行う上で医学物理士がどのような関わりを持っているのかを踏まえつつ、医学物理の重要性を述べていきたい。
そもそも放射線治療は昔から存在していて、決して真新しいものではない。しかし、なぜ日本において、これほどまでに放射線治療が他の欧米諸国に対して遅れを取っているかというと、当時の日本の多くのがんが胃がんであり、胃がんに対して有効な外科療法の方が主に行われていたために国民全体が放射線治療よりも外科療法の方が効果的であると錯覚しまったからであると思われる。現在の日本におけるがんは胃がんといったアジア型のがんから、肺がん、乳がんといった欧米型のがんが主要ながんになりつつあるので、放射線治療が有効な治療方法になる可能性ははるかに大きくなる。なおかつ、日本における放射線治療に対する...