A評点(道徳教育の本質をしっかりとおさえた上で記述されています)
『「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。』
①「生きる力」とは
「生きる力」は次の3つの能力から成る「全人的な力」である。
・基礎・基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようと、自ら課題を見つけ、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力
・自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性
・たくましく生きるための健康や体力
つまり、知識、情操、身体の三領域から形成されるものである。この3つの力はバランスよく育成されなくてはならない。
また、「生きる」という意味には、①人間が生きるうえで根底となる生物学的(身体的)「生命」、②人間が特定の社会の一員としてさまざまな役割・責任をもって生きるという文化―社会的「生(活)」、③一人ひとりの人間がこの世に生きていることにそれぞれ意味があり、価値があるという道徳的―人格的―宗教的「いのち」という3つの次元があり、生命力(たくましく生きる力)、生活力(工夫し、交わって生きる力)、人間力(よりよく生きる力)というそれぞれの力を、釣り合いをもたせながら子どもたちに身につけさせることが求められてい...