クリーンルーム

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    資料紹介

    クリーンルーム
     1.クリーンルームとは
     2.主な対象疾患
     3.クリーンルーム入室中の注意
     4.クリーンルーム入室時に持参するもの
     5.食事について
     6.クリーンルームに入室する家族への注意
     7.クリーンルームの定義
     8.クリーンルームの規格
     9.クリーンルームの4原則

    資料の原本内容

    クリーンルーム
    1.クリーンルームとは
    空気中の病原微生物を粉塵除去フィルターを使うことにより清潔に保ち、きれいな空気を循環させている部屋。
    癌化学治療を行っている患者や血液疾患患者は、白血球が極度に減少しているため、感染が起こりやすい状態となっ
    ている。外界からの感染から患者を守るため、クリーンルームで治療を行なう。
    2.主な対象疾患
      多発性骨髄腫、急性白血病、悪性リンパ腫、アミロイドーシス、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病など  
    3.クリーンルーム入室中の注意
      クリーンルームを有効に使用するためにはいくつかの注意が必要となる。 ①クリーンの病室内は医療器械や輸液ポンプなどが入り、狭いため荷物は必要最低限のものだけを持ち込む。
      ②部屋の移動には看護師が手伝い、病室内に何を持ち込むかは相談する。
      ③清潔な環境を保つため身の回りは整理・整頓する。
    ベッド周り、テーブルなどはアルコールティッシュなどを用いて埃などがたまらないように毎日掃除を行えるようにする。
      ④身体の清潔を保つため、発熱のない限り、シャワーに入る。また、排泄をするときには洗浄付便座を使用する。
      ⑤シャワー時、湯の必要時以外は部屋内だけの生活になる。
      ⑥廊下へ出る時や、清掃する時にはマスクをつける。
      ⑦家族の面会は可能だが、いくつかの注意が必要なため面会希望時は看護師に申し出る。
    4.クリーンルーム入室時に持参するもの
    衣類 洗濯後充分に乾燥させたものを用意する 日用生活物品  歯ブラシ、歯磨き用コップ、歯磨き粉、ブラシ・くしなど、髭剃り(電動のもの) 食器類 箸、コップなどは使用後水洗いしてペーパータオルで拭き、蓋付きの容器にいれるなどして、使用するまで清潔に注意して保管する。 娯楽物品 本など(新しいもの)基本的に水拭きが可能なものに限る。 5.食事について
      ①病院での食事は加熱食になる。
        生ものは食べられないので、必ず火の通ったものを食べるようにする。
      ②調理品の差し入れは可能だが、食べる前には必ず電子レンジで1分間加熱する。
      ③残したものは後で食べない。
      ④マヨネーズは禁止。
      ⑤果物は皮をむいて食べるもの(柑橘類、バナナ等)を選びましょう
      ⑥洗面台の水は飲めないので、缶、ペットボトルのジュースやお茶を用意するか、看護師が用意したポットのお湯を飲む。
    ⑦外国産ミネラルウォーターは未滅菌のものが多いため、国産のものを飲む。
    6.クリーンルームに入室する家族への注意 (群馬県立がんセンターの場合)
     入室中も家族の面会は可能だが、クリーンルームの効果を減退させないような注意が必要。
      ①面会は家族のみとし、1回の入室は2人までとなる。   ②小学生以下の子どもの面会、感染性疾患(発熱・下剤・発疹・結膜炎・風邪症状・帯状疱疹等)がある場合は面会できな
    い。
      ③面会希望時は申し出る。
      ④清潔な衣服、靴の着用を心がけ、長い髪は束ねる。
      ⑤私物の持込はできない。上着を脱ぎ、クリーンルーム扉内のロッカーに私物を入れ、シューズカバーをつける。
      ⑥前室にて、マスクをつけて、備え付けの液体石鹸で手を洗う。
      ⑦ベッドに座ったり、室内の部品に必要以外は触れない。
     
    7.クリーンルームの定義
     クリーンルームの定義は1994年に制定され、2000年に改訂された JIS Z 8122(コンタミネーションコントロール用語)
    に次のように規定されている。
     
     
    ※コンタミネーションコントロール(清浄度管理)
       限られた空間、製品などの内部、表面または周辺について、要求される清浄度を保持するために必要とする
    あらゆる事柄について、計画を立て、組織し、実施すること。
    8.クリーンルームの規格 
    JIS方式 JIS B 9920の清浄度クラスの表示で1m3中の0.1μm以上の粒子数を10のべき乗で表したときの指数で表します。ISO基準が制定されたのを受け、2002年に改定されている。  表示:クラス1~9 
    ※クラス5~8はFED-STD-209Dのクラス100、1,000、10,000、100,000にそれぞれ相当。 FED-STD-209D
    (米国連邦規格)
    1988 単位は英国単位(FS単位)。0.5μm以上粒子を基準とし、立法フィート中の粒子数を表示します。一番良く使われている。  表示:クラス1、10、100、1000、10000、100000 FED-STD-209E
    (米国連邦規格)
    1992 単位はメートル法(IS単位)を優先し、英国単位(FS単位)を併記。清浄度クラスは0.5μm以上粒子を基準とし、粒子数を10X乗個/m3で表し、X値をクラスとする。メートル法使用を明確とするためMを付加しクラスM(X)とする  表示:クラスM1~M7 ISO方式 日米欧を中心に初の世界統一規格として作成が進められている。 ISO規格は「クリーンルームと付帯する制御環境」を規定した次の二つから成る。 1) ISO 14644-1 Part1「空気清浄度のクラス分け」 2) ISO 14644-2 Part2 「試験及びモニター手法」 ISOクラス表示では、基準粒子径は0.1μm、基準体積は1m3で、JIS方式が取り入れられている。  表示:ISO class1~9
    9.クリーンルームの4原則
    ①ゴミを発生させない ②ゴミを持ち込まない ③ゴミをためない ④速やかに除去する
    ※クリーンルームで使用されるフィルター
    HEPAフィルター
    HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter) とは、空気中からゴミ、塵埃などを取り除き、清浄空気にする目的で使用するエアフィルタの一種である。空気清浄機やクリーンルームのメインフィルタとして用いられる。
    JIS Z 8122 によって、「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されている。
     
    「コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が
    限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される
    清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。」

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