老年看護の目標
1)老年看護の場の多様性
看護は様々な場で、高齢者のニーズに即応して提供されている・今まで高齢者に看護を提供する主要な場は病院であつた。何らかの疾病をもち、治療を必要とする高齢者に看護が提供されることが、頻度としても最も多いものであったからである。
しかし本来、看護とは、健康・不健康を問わず、看護を必要とするあらゆる対象に提供されるものである。特に高齢者には疾病の治療に対するニーズにとどまらず、生活援助に対するニーズも高く、また退院した後も引き続き看護を必要としていることが多く、その看護はきわめて多様で広がりのあるものである。そこに病院での看護にとどまらず、地域における看護、さらに介護保険施設における看護が継続して進められる必要性がある。多様な広がりをもつ看護の場であるが、その主なものは、医療機関(主に病院)において治療が展開する過程でなされる看護、特に集中的な治療の必要はないが家庭での介護が困難な高齢者が利用する介護保険施設での看護、さらに家庭で療養している高齢者に援助を提供する訪問看護に整理されよう。
2)病院での看護
以上にあげたそれぞれの場における看護には、それ...