身体的特徴
1)呼吸・循環機能の低下
(1)呼吸機能の低下
呼吸器では、気道は線毛活動の減少が起こるために、分泌物の排出機能が低下し、誤嚥性肺炎が発生しやすくなる。
また、ガス交換を行っている肺胞が減少し、肺胞がまとまった形の気腫が生じて残気量の増加が起こり、呼吸面積が減少して肺活量の減少をきたすが、この程度が大きいと肺気腫という病態を生じる。
肺の外側の胸郭では、肋軟骨の石灰化などにより弾力性の低下が起こり、呼吸筋の運動が不十分になり、やはり肺活量の減少を招く。
これらによって咳噺能力が低下し、誤嚥性肺炎の発生につながる。
(2)循環機能の低下
循環器については、心筋線維の増大に基づく心臓の肥大が起こり、機能的には、ポンプ機能の低下、心筋収縮力の低下、心拍出量の低下が生じる。
特に肺気腫などの肺病変が存在する場合は右心室肥大が出現しやすい。
血管については、「ヒトは血管とともに老いる」といわれているように、その老化の程度は、生命維持に大きくかかわっている。加齢により動脈硬化が起こり、病理学的には、粥状硬化、中膜石灰化、および細動脈硬化が現れる。
動脈硬化による血管の内腔狭窄と壁の弾性...