心原性脳塞栓症の診断と原因

閲覧数10,996
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    心原性脳塞栓症(cardioembolic storoke;CES)
     脳梗塞は臨床概念により,アテローム血栓症,心原性,ラクナ,その他に分類される。その中でも,心原性脳塞栓症は脳卒中の15〜20%を占める。急性局所性脳症候群を呈した症例の中で,頭部CT・MRIにより脳梗塞を認め,心内塞栓源が発見された症例,または頭蓋外動脈や頭蓋内主幹動脈の大血管病変がなく,血管疾患などの他の原因が否定される場合には心原性脳塞栓症(cardioembolic storoke;CES)ととみなし対策を考える。
    【原因】以下のものがあげられる。
    ・心臓弁膜症:リウマチ性弁膜症,人工弁置換,感染性心内膜炎,非細菌性血栓性心内膜炎,Libman-Sacks心内膜炎,僧帽弁逸脱,大動脈弁輪・僧帽弁輪石灰化,僧帽弁紐
    これらの弁膜疾患が原因となり,弁膜上に形成された血栓や疣贅が遊離して塞栓子となりCESを生じる。
    ・心内血栓:心房細動,洞不全症候群,心室デマンド型ペースメーカー装着,もやもやエコー,急性心筋梗塞,心筋症,左室瘤,うっ血性心不全,粘液腫,心房中隔瘤
    左心房や左心室を充満している血液は動脈血であるが,血行動態的には静脈に類似した遅い血流系に属し,さらに上に挙げた血流うっ滞を生じる心疾患が存在すると血液凝固系が活性化してフィブリンを主体とする血栓が形成され,これが栓子となって脳内動脈に流入し脳梗塞を生じる。中でも左房内血栓はCESのもっとも多い原因で,その45%を占める。特に心房細動や左房拡大例では左房内血流がうっ滞しやすくなる頻度が多くなる。左房はリウマチ性僧帽弁疾患のみならず,心筋症や心筋梗塞などのように左室疾患でも拡大する。
    また,血栓以外では心内腫瘍の中で粘液腫が左心房に生じやすく,腫瘍塞栓としてCESの原因となる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    心原性脳塞栓症(cardioembolic storoke;CES)
    脳梗塞は臨床概念により,アテローム血栓症,心原性,ラクナ,その他に分類される。その中でも,心原性脳塞栓症は脳卒中の15~20%を占める。急性局所性脳症候群を呈した症例の中で,頭部CT・MRIにより脳梗塞を認め,心内塞栓源が発見された症例,または頭蓋外動脈や頭蓋内主幹動脈の大血管病変がなく,血管疾患などの他の原因が否定される場合には心原性脳塞栓症(cardioembolic storoke;CES)ととみなし対策を考える。
    【原因】以下のものがあげられる。
    ・心臓弁膜症:リウマチ性弁膜症,人工弁置換,感染性心内膜炎,非細菌性血栓性心内膜炎,Libman-Sacks心内膜炎,僧帽弁逸脱,大動脈弁輪・僧帽弁輪石灰化,僧帽弁紐
    これらの弁膜疾患が原因となり,弁膜上に形成された血栓や疣贅が遊離して塞栓子となりCESを生じる。
    ・心内血栓:心房細動,洞不全症候群,心室デマンド型ペースメーカー装着,もやもやエコー,急性心筋梗塞,心筋症,左室瘤,うっ血性心不全,粘液腫,心房中隔瘤
    左心房や左心室を充満している血液は動脈血であるが,血...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。