術前日から当日までの看護
手術に向けたさまざまな処置は、感染予防や効果の点から多くが術直前に行なわれる。そのため手術前日から当日にかけての患者は大変多忙になる。この時期の患者は、迫りくる手術に対しての高まる不安と期待、家族への思いや未知なる体験への疑問や恐れなど、多くの感情を体験している。加えて、次々と行なわれる検査や処置、医師の診察や必要物品の準備、ICU見学、家族や知人の面会など多忙を極める。患者のこのような状態を理解した上で、安全・安楽で確実な処置の実施と患者の心理を踏まえたケアが必要となる。
1)看護の流れとポイント(~手術前日まで)
2)休息と睡眠への支援
手術が近づくにつれて、体内のいわゆるストレスホルモンの分泌が高まる。
また術前処置や絶飲食は患者を心身ともに疲労させ、多くの面会者や家族への配慮、麻酔科医や手術室看護師、ICUオリエンテーションなど、新たな人々との関係や環境への順応への努力は、患者が自覚する以上の心身の消耗となる。
これらを回復させるための有効な手段の1つが休息と睡眠である。
〈目的〉
手術患者の心身の疲労を査定し、十分な休息と効果的な睡眠が確保できるよう...