痙攣
1 症状が生じる病態生理
1.痙攣とは
痙攣とは,急激な筋の不随意な収縮の総称で,症状の呼称である.
中枢性または末梢性の運動神経の異常興奮や筋自体の障害によって起こる.
痙攣は出現する部位により,全身性と局所性(顔面,上肢,下肢)に分けられる.
痙攣は持続時問により,強直性痙攣と間代性痙攣に分けられる。
強直性痙攣は,持続性の筋収縮状態を示し,全身性に出現すると,呼吸不全,チアノーゼを生じる.
間代性痙攣は,反復性の筋収縮状態を示し,四肢に出現すると,屈伸由伸展などの交互運動を生じる.
痙攣は病態により,てんかんと症候性痙攣に大別される.
さらにてんかんは,特発性てんかん(脳に器質的障害をもつ)と症候性てんかん(中枢神経以外に病巣がある)に分けられる.
2.痙攣の起こるメカニズム
痙攣の発症機序はまだ不明であるが,脳の神経細胞群が,異常に興奮することで起こるといわれている.
痙攣の発症には,急激に生じた脳の酸素欠乏状態,低血糖,水分の過剰などが関与すると考えられる.
神経細胞の興奮性には,Na⁺,K⁺,CI⁻,Ca2⁺などが関与している,これらのバランスがくずれても痙攣が生じる...