債務名義の騙取と債務名義 最判(三小)昭和43年2月27日
(判例意義)
債務名義の不当取得の一態様の効果について判断した点、無効な債務名義による競落の効果について判断した点、特に後者は債務名義不存在のときの強制執行手続の一般理論として述べていることに重要な意義を有する。
1、事案
? XはCからC所有の本件宅地を買い受けた。
? A・B両名が通謀してCあての金銭債権の債務名義を不当に騙取しようと企て、AはCの住
所をB方Cとして仮執行宣言付支払命令の申立をし、支払命令をえて、確定させた。
? ?に基づいてAがC所有の本件宅地に対して強制執行をし、Yがこれを競落し、登記をえた。
? XはYに対して土地所有権に基づいて本件宅地上の建物収去と本件土地の明渡及び移転登記の抹消を求めて提訴した。
第一審、第二審ともに請求棄却。Xが上告。破棄差戻。
2、争点
? 不当に騙取された債務名義は真の債務者Cに対して効力が及ぶか。
? 競落人Yは本件宅地について所有権を取得できるか。
民事訴訟法Ⅱ
債務名義の騙取と債務名義 最判(三小)昭和43年2月27日
(判例意義)
債務名義の不当取得の一態様の効果について判断した点、無効な債務名義による競落の効果について判断した点、特に後者は債務名義不存在のときの強制執行手続の一般理論として述べていることに重要な意義を有する。
1、事案
① XはCからC所有の本件宅地を買い受けた。
② A・B両名が通謀してCあての金銭債権の債務名義を不当に騙取しようと企て、AはCの住
所をB方Cとして仮執行宣言付支払命令の申立をし、支払命令をえて、確定させた。
③ ②に基づいてAがC所有の本件宅地に対して強制執行をし、Yがこれを競落し、登記をえた。
④ XはYに対して土地所有権に基づいて本件宅地上の建物収去と本件土地の明渡及び移転登記の抹消を求めて提訴した。
第一審、第二審ともに請求棄却。Xが上告。破棄差戻。
2、争点
Ⅰ 不当に騙取された債務名義は真の債務者Cに対して効力が及ぶか。
Ⅱ 競落人Yは本件宅地について所有権を取得できるか。
3、争点Ⅰについて
当事者の確定の基準が問題となる。
<意思説> 原告の意思を基準と...