「蘇軾の作品を読んで疑問点を1つ取り上げ、それに対する自分の考えを述べよ。」
蘇軾は、明るくのびのびと生を楽しむ楽天主義の詩人であり、度重なる左遷にもめげず、その強靭な精神で立ち向かった。また悪への憎悪と愛国憂民の情から、勲功を求めず、痛烈な言葉を官僚貴族に向けて発した剛の人物でもある。その作品は長い世に多くの人を惹きつけて止まない。それらからは、決して諦めない、俯かない、生命力をたぎらせた前向きな心が伝わってくるのである。
例えば鳳翔簽判の時代に詠んだ[郿塢]や、新法を風刺した[鴉種麥行]や[呉中田婦歎]、[雨中遊天竺霊感観音院]、[山村五絶(其三)(其四)]などからは、民を思う蘇軾の全霊をもって官僚貴族に立ち向かう精神が伝わってくる。[新城道中 二首]では自然を擬人化してリズムを出し、弾む心の内をよくあらわしていてのびやかである。黄州に左遷された時に詠んだ[初到黄州]には不幸を乗り越えようとする不屈の精神があり、また[浣渓沙]からはうららかで暖かい空気が、良い香りと共に伝わってくるようだ。これらからは様々なものや人に対する、蘇軾のあふれる生命力が伝わってくるのである。
しかし...