2010年提出の最新版です。A評価いただきました。
ペスタロッチーの教育学(直観の原理など)について考察せよ。
ペスタロッチーは子どもには将来発展する素質が備わっており、この素質が子どもの内から発展するように助成するのが教育と考えており、子どもは生まれながらには未だ動物的であるに過ぎず、この動物的衝動を根絶することが教育なのであると考える古い教育観に真っ向から反対している。真への認識、美の感情、善の力は全て子どもが生まれながらに有しているものであり、あたかも植物が発芽し成長し花を咲かせ実となっていくのと同様に、教育者は子どもの内的本性が自ら実現していくのを援助することに専念しなければならないとしている。ペスタロッチーは子どもの本性は白紙ではなく、すでに将来成長する能力を内的に有しており、この能力を自然に即した形で伸ばしていくことが重要としており、ロックのようなタブラ・ラサ説とは違う教育観を持っている。ペスタロッチーはこの教育観を『有機的・発生的』と呼んでいる。子どもの内的素質を重視するという点で『有機的』であり、また自発的な成長を促している点で『発生的』でもあるのだ。ペスタロッチーは人間には最初無邪気さが現れるが、次第に我欲の為に粗暴...